JANOME BLOCK
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とかりますが、ほとんど組積の際にモルタル仕上げで見えなくなります。見える部分は砥いし石クラッククラックの発生原因は、コンクリートの乾燥収縮のほか、地震、不同沈下、凍害、鉄筋の錆び膨張など様々です。原因が複合している、または特定できない場合も多くあります。①乾燥収縮によるクラック、②金属フェンス支柱の応力によるひび割れについて記載します。なお、乾燥収縮によるクラックは、一般的に構造上問題ないとされるへアークラックの場合が多く、土木学会コンクリー卜標準仕方書などでも許容が示されています。発生傾向①乾燥収縮によるクラック◦コンクリー卜ブロック製品の体積が大きいほど、乾燥収縮等の影響を受けやすくなります。ただし、コンクリートは圧縮よりも引っ張りに弱いため、それを構造的に補う目的で鉄筋補強しており、その場合に発生するクラックの多くは、構造的に問題のないヘアークラックと呼ばれるものです。◦セメン卜製品や現場コンクリー卜(またはモルタル)は乾燥収縮により体積が減少します。この収縮量は普通のコンクリートで5.0〜8.0×10−4(1mに対して0.5〜0.8mm)程度と言われています。また温度変化によっても収縮し、例えば温度が1℃低下すると1×10−5程度収縮します。クラック発生の状況は特に施工初期(概ね3ヵ月)が多いものの、場所や気候により様々です。②金属フェンス支柱の応力ひび劃れ 特に、支柱が太い形材フェンス、支柱間隔が長いフェンス、風圧抵抗を受けやすいフェンスに発生します。予防方法①乾燥収縮ひび割れ◦ひび割れ抑制策として、伸縮目地の設置が効果的です。日本建築学会規準でも、「ブロック塀は原則として、長さ30m以下ごとにエキスパンションジョイン卜を設ける(壁式構造関係設計規準集・同解説(メーソンリー編)−日本建築学会)。」との規定があります。なお、長さ30mは原則であり、適宜必要な間隔を設けるのが良いです。◦基礎コンクリー卜の養生期間をしっかりとって、コンクリート水和(硬化)時の収縮の影響を低減させます。◦特に大型ブロック製品には、充填モルタルに無収縮モルタルを使用すると硬化時の引張り応力が緩和されます。②金属フェンス支柱の応力ひび割れ◦特に形材フェンスの場合は支柱が太いので、モルタルが充分に補強できるよう、空洞部の穴の大きなブロックを選択します。◦フェンス支柱内部は一般的に皮膜処理が施されておらず、モルタルの強いアルカリ性により発泡膨張します。施工の際は、支柱内部にモルタルが入り込まないよう、アルミメーカーの施工説明書をよく確認して下さい。注意事項◦コンクリー卜の乾燥収縮ひび割れは、必ずしも避けられるものではありません。コンクリー卜ブロック製品の有害なひび割れ幅は明確な規定がないため完壁な根拠はありませんが、0.3mm〜0.5mmを目安に、それ以下のものを構造上問題ないとされるへアークラックとするのが妥当と考えられます。なお、沿岸部や凍結防止剤を使用する地域では、鉄筋の腐食に影響を与えていないかも考慮して、上限目安を0.3 〜0.4mmとしておく必要があります。トラブルシューティング*初動対応例.細いクラックを発見した。→まずは構造的に有害なクラックか、そうではないへアークラックかを確認します。市販のクラックスケールを用いると良いでしょう。許容と推定される幅0.3mm〜0.5mm(環境条件の厳しい場合は0.3 〜0.4mm)を上限に、専門業者様へ依頼されるかの目安として下さい。汚れ経年変化によるコンクリー卜ブロックの汚れは、菌・カビ・酵母・藻類などの生物系や、土埃や排気ガスのすすなど物理的吸着があります。発生傾向カビ類・菌類は湿度の高い時期や日陰になりやすい場所に多く発生します。物理的吸着は、土挨が多く舞っているとか、車道に面していて排気ガスの影響を受けやすい場所に多く発生します。予防方法施工後に吸水防止処理をおこなう方法があります。定期的(半年程度)にメンテナンス処理されることをお勧めします。雨の影響を物理的に防ぐには、より効果的な笠木を選びます。参考情報◦コンクリートブロックの下面は、製造時の剥離剤等によりすこし茶色く見えることがあります。明るい色のブロックほどわ等で擦り落とすこともできます。◦錆びによる汚れもあります。天然原材料(骨材)の鉄含有成分がブロック表面に析出した場合、雨水や酸素と反応して錆びることがあります。構造的な悪影響を及ぼすものではありませんが、タガネ等で除去することができます。トラブルシューティング*初動対応例1.ブロックの汚れを落としたい。→薬品による除去と、高圧洗浄の方法があります。 カビや藻の汚れと原因が特定できている場合は、漂白殺菌作用のある洗浄剤で処理する方法があります。汚れの成分が分からない場合、高圧洗浄であれば、物理的に汚れを落とすことができます。ただし、コンクリー卜表面のセメン卜ぺース卜等が削られますので、数年程度の間隔として、あまり頻繁に処理しない方が良いです。例2.吸水防止処理をしたが、効果がうすれてきた。→吸水防止処理は、定期的(半年程度)におこなう必要があります。乾燥収縮クラック170

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